2026.05.12

Q. 管理者がこのGWに有給休暇を連続で入れ、途中の出勤日を体調不良等の理由で休み、結果、一週間程度の休みを取りました。年末年始、GW、お盆と、皆が休みを取りたいときに限って管理者であるにもかかわらず、こういったことが2~3年続いています。どうしたものでしょう? ちなみに、SNSでは体調不良といって休んだ日に、友人と旅行に行っていたことが判明し、他のスタッフにもそのことが知れ渡っています。 その管理者を辞めさせたいと思っていますが、解雇できますか? 

A. これは「休みの取り方」の問題ではなく、 管理職としての職責・組織運営・労務管理・職場規律 の問題ですね。

特に福祉系(保育・障害含め)や医療系の現場では、年末年始・GW・お盆は、利用者支援や災害対応と同じく「少ない人員で現場を回す時期」です。そのため、管理者が繰り返し長期離脱することは、単なる有給取得の問題を超え、現場の公平感や安全管理にも影響します。

とくに管理者ということになると、安全管理等で部下からの質問や問いかけに対しジャッジが必要な際、安全配慮義務違反という点が非常に気になります。

整理すると、論点は次の点です。

■ 法律上は「有給休暇」は原則として労働者の権利

まず前提として、会社側は、

・「GWに有給を取るな」

・「管理者だから有給禁止」

とは基本的に言えません。年次有給休暇は、労働基準法39条に基づく権利です。ただし、会社には「時季変更権」があります。

つまり、「その時期に休まれると事業運営が著しく困難」であれば、取得時期の変更を求めることは可能です。

しかし現実には、

・事前申請されている

・代替要員確保可能

・シフトが成立している

場合、完全拒否は難しいです。ただし「管理者」である場合、別の問題が発生します。有給を取ったことではなく、「管理者としての責任行動」が欠けているという部分です。

特に問題になりやすいのは、

・繁忙期だけ長期離脱

・他職員へ負担集中

・毎年同じパターン

・体調不良欠勤が“連結”している

・管理職自身が現場規律を崩している

という点です。これは法的には、

・業務命令違反

・職務専念義務

・誠実義務

・管理監督者としての適格性

の問題に発展し得ます。

「体調不良」が本当なら慎重な対応をせざるを得ません。ハラスメントに抵触する可能性がありますから。

上司側がやってはいけないのは、

・仮病扱い

・精神論

・「管理者なんだから休むな」

・パワハラ的圧力

です。本当に、

・メンタル不調

・家庭問題

・慢性疾患

・繁忙期ストレス

が背景にある可能性もあります。なので、事実確認が必要です。

・なぜ毎回この時期なのか

・本当に健康問題なのか (嘱託医等の受診、意見も聞く)

・管理業務負担との関係

・家庭事情

■ 2~3年繰り返しているなら、これは組織としての問題です。

一度や二度ならともかく、

・年末年始

・GW

・お盆

という「皆が負担を抱える時期」にだけ繰り返されると、現場では次第に、

・不公平感

・管理者不信

・士気低下

・離職

・“真面目な人だけ損をする”

という空気が生まれます。介護現場ではこれが極めて危険です。現場は「感情労働」と「協力」で維持されている

からです。

 

■ 実務的には「ルール化」が必要

感情論ではなく、制度化してください。

繁忙期休暇ルール

・管理職は年末年始・GW・盆の長期連休取得に事前協議を必要とする

・管理職は最低限のオンコール対応を行う

・管理職は緊急時連絡可能状態を維持

・連続休暇日数の上限

・他管理職との交代制

「管理職としての役割期待」として合理性があります。

■ 懲戒できるのか? という点について

・有給取得

・体調不良欠勤

だけでは、懲戒はかなり難しいです。しかし、

・虚偽申告

・無断欠勤

・引継ぎ拒否

・業務放棄

・組織運営への重大支障

があるなら、

・指導

・始末書

・人事評価低下

・管理職降格

はあり得ます。特に現実的なのは、「管理者適性」の問題として扱うことです。

「有給を取ったから処分」ではなく、「管理職として必要な責任遂行が継続的に困難」という整理です。

これは比較的法的にも整理しやすいです。

体調不良と言って有給含め休んだにも関わらず、友人と旅行に行っていたことが判明。この場合でも解雇できないのか、という点では、

単なる「有給取得」ではなく、

・傷病欠勤の真実性

・職場への虚偽説明

・管理職としての信用性

・職務規律違反

の問題が強くなってきます。

ただし、結論から言うと、「嘘をついて旅行に行っていた=即解雇」にはできません。

日本の解雇法理はかなり厳しく、特に普通解雇・懲戒解雇は、客観的合理性と社会的相当性(労働契約法16条)が必要です。

 

■ 本当に虚偽だったのか

ここを慎重に整理する必要があります。

・発熱で寝込んでいた →友人と旅行はできないだろう…

・メンタル不調  →  外出自体はあり得る

・家族サービス目的

・出勤は困難だが旅行には行ける、というやっかいな点(こういう人はいる…)

特に精神的不調では、「仕事は無理でも娯楽は可能(遊びだけは一人前)」というケースは実際にあります。

したがって、「遊びに行った=仮病」と即断すると危険です。

■ 管理職なら“信用失墜”は大きい

・GWなど繁忙期

・毎年繰り返し

・体調不良を理由

・SNS公開

・現場に負担集中

という事情が重なると、現場では、「ズル休み」と受け止められやすい。そして管理職は、

・部下への模範

・勤怠規律維持

・シフト責任

・緊急対応責任

を負っています。そのため、「管理職としての信用性」は大きく傷つきます。

■ 職場の「就業規則」を再度確認してください。法的に問題になりやすいポイントとしては、

<就業規則違反>

例えば就業規則に、

・虚偽申告禁止

・誠実義務

・信用失墜行為禁止

があれば問題化可能です。

<職務専念義務違反>

特に管理職で、

・繁忙期

・慢性的繰り返し

・他職員へ過重負担

があると、評価対象になります。

<服務規律違反>

SNS投稿で職場の信用を損なった場合も論点になります。

とくに今回の場合

・有給自体は権利

・欠勤届は出している

・実害が限定的

「即懲戒解雇」はリスクが高い。不当解雇になる可能性があります。気をつけてください。

“一発解雇” というのは今ではあり得ません。なので、段階が必要です。

そう、トップなり法人の責任者としては、歯痒いかもしれませんが、順を追ってです。

「指導書・始末書」、「人事評価反映」、「降格・降給」 という具合にです。

(※今回の記事は、私が書いたものをAIで分かりやすく整理してもらいました。)